氷菓 第四話『栄光ある古典部の昔日』感想

氷菓404

「創刊号がないと話しにならんぞ」
「そうですね」

前回、古典部文集『氷菓』のバックナンバーを発見した折木たちだったが、そのバックナンバーには肝心の45年前の創刊号が含まれておらず、えるの叔父に何が起きたのか不明なままであった。

氷菓400

「里志と伊原でも加われば心強いんだがな」
「いえ、それは・・・」

45年前の事を二人だけで調べる事に限界を感じた折木は、不特定多数とは言わないまでもせめて古典部員である里志達にも協力を頼んだ方がよいと提案する。
だが、えるはやはり自身と叔父の秘事を公にする事に抵抗を感じるらしく、容易に首を縦にふろうとはしなかった。

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「まぁ、謎が解けなくてもいつかお前の中で時効になってゆくのかもな」
「・・・、時効に?」

だが、えるは折木が発した言葉により自分がこのまま謎を解けずに終わってしまう事。
すなわち、叔父との思い出を忘れたまま、やがて追慕すら出来ぬ事もあたり前の事として受け入れてしまう日がやがて来てしまう事に言い知れぬ哀しみを感じる。

氷菓405

「私、気になります。45年前叔父に何が起きたのか」
「皆さんお願いします」

「千反田さんの叔父さんがねぇ」
「そんな事があったんだ」

えるはこのまま事件が解けずに終わる事をより、過去を里志と伊原に話し協力を頼む事を選択する。
もとより、謎が好きな里志と氷菓探索で関わりをもっていた伊原はこれを快く承諾。

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「こうして、古典部の過去を探る事が全古典部員の最優先事項と相成った」

二人が加わったより、これまであまり積極的ではない折木とえるの二人だけでの調査は一気に加速してゆくのだった。

氷菓407

「で、資料は準備できたのか?」
「奉太郎こそどうだい?いいネタはあったかい?」
「あぁ、まあな」
「なら、仮説の方も期待できそうだね」
「ん?」
(しまった、そんな話もあったっけか)


後日、それぞれの調査結果を持ち寄り報告をする場が設けられる。
その開かれる場所こそが、えるの実家である千反田邸。

珍しくもそれなりに頑張って資料を揃え準備をしてきたようだったが、やはりそこは折木。
そこから何らかの仮説を立てる事を忘れて来ていたのだった。

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「いらっしゃい、お待ちしてました」
「ああ」

千反田の家についた折木たち。
そこは地元の名家だけありかなりの敷地面積と歴史あふれる佇まいの屋敷であった。

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「さて、始めましょうか検討会」
「はーい」
「うん」
「ああ」
「今日は45年前に古典部に起きた事件について考えたいと思います」
「真相に辿りつけたら、今年の古典部文集に載せたいと思います」


古典部の四人が集まり、えるの司会で検討会が開始。
今回の文集についてそれぞれが持ち寄った資料を順に報告し、そこから自身の考える仮説を発表してゆく。

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「私が調べたのは『氷菓』そのものです」
「45年前の事に触れていたのは、この序文だけでした」
「そこから読み取れる事実を、二枚目に纏めました」


えるは氷菓の文集に載っていた文章と客観的な事実を整理し、そこから45年前に中学生だった叔父の関谷に何かが起き中退となった事を報告。

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「これ、図書室で見つけた『団結と祝砲 1号』っていう本のコピーなの」
「2号以降は見つからなかったわ、発行はちーちゃんと同じ44年前ね」


続いて、伊原が44年前に発行された本のコピーを配る。

そこには当時盛んであった『安全ヘルメット』と『ゲバ棒』を携えたようなとある運動に影響された学生が、1年前の6月に起きた事件で権力主義者と戦った関谷を英雄にまつりあげ賛美するような内容の文章となっていた。

この事から、関谷が教師らとの暴力事件を起こして退学したとも推測する伊原だったがその時期のズレから否定される。

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「ん?これは神高月報か」
「そういえば、遠垣内が500号近いと言ってたな」

「その通り。僕が調べたのは、壁新聞部が発行している神高月報のバックナンバー」

発表の合間に小腹が空いた里志の提案により、えるがお握りを手作りする合間に発表を続ける里志。
里志の調べた内容は、学校の校内新聞である『神高月報』の記事。

過去の記事によると全校生徒全体に影響する事件が起こり、それを解決するために生徒が団結し非暴力的方法で事件を収束させたという事だった。

だが、そこからは何が原因でどのような事件が起きたのかも分からず終いである。

そんな不完全な資料だけでは仮説を立てるに至らない事と、自身は『データベースは結論を出せない』という持論から仮説の発表を放棄する里志。

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「奉太郎これってもしかして・・・」
「『神山高校50年の歩み』ですか?」
「公的記録に何か載ってないかと思ってな」
(しかし、改めて語るべき内容は何もないな)


最後に順番が回ってきた折木は、自分が調査してきた資料を配りながらその余りにも淡白で関谷純と関連がなさそうな内容に自身も改めて落胆するのだった。

それもそのはず、折木が持ってきた資料は以前に図書室での事件で出てきた『神山高校50年の歩み』という公的な記録。
普通であれば生徒個人の事が書かれる事はなく、45年前の記録にしても見る限り関谷に関連があると思わしき記載は存在しなかった。

氷菓435

「そもそも、コレはやらなければいけない事なのか?」
「奉太郎?」
「折木」
「折木さん」
「もういい・・・、流すか」

つい先刻まで仮説を立てなければいけない事すら忘れ、準備をして来なかった折木。
このままでは何も報告することがなく、何の仮説もない。

だからといって、それを今必死になって考えて発表するというのは本当にしなければならない事なのか?
折木は自身の頑なな省エネ主義と、他の古典部員と同様に何らかの報告をしなければならないというノルマとの板挟みに苦悩する。

だが、自らがえるに協力すると言ってしまった手前、やはり何も報告しないというのも後ろめたかったのかとりあえず口八丁でその場しのぎの報告をする事にするのだった。

まぁ、最後に『データベースは結論を出せない』という台詞をパクれば仮説は免除されますからね。

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「あっ」
「どうしたの?」
「忘れていました、椎茸を干していたんです。急いで取り込まないと」

折木が何らかの発表をしようとした矢先。
突然の雨が降り出し、えるは椎茸を天日に干していた事を思い出しそれを取り入れる事になり発表は一時中断となる。

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「千反田、すまんちょっとトイレ借りていいか?」
「あぁ、はい。ここを出て真っ直ぐ進んだ所ですので」

椎茸を入れようと必死になる千反田える。
やっべ、文章にするととても卑猥だ(いい意味で)。>えー

そんなえるの行動にちょっと悶々とした折木はトイレで発散しようと・・・。
発表の時機を逸してしまった折木は、一旦仕切りなおすためかトイレに立つ。

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「真っ直ぐ、真っ直ぐ・・・迷った」

だが、千反田邸のあまりの広さに迷い、トイレの方向を見失ってしまう。

氷菓440

「こんなに調べてたのか」
「少しは頭を使ってみるか」


トイレを探している内に偶然えるの部屋を覗いてしまった折木は、そこで机の上に幾つもの資料が散乱した光景を見る。
そこからえるが必死になって叔父の事を調べている事を窺い知り、今回の件についての思い入れを痛感。

そんなえるの苦悩する姿を前にして、折木自身も悠長に身構えている訳にも行かなくなるのだった。

氷菓442

「45年前に関谷 純に起こった出来事」
「4つの資料」
「それらを結ぶものは・・・」


それぞれが集めてきたものの、決定的な事が何も分からず、食い違う部分もある不完全な資料たち。
トイレ折木の頭の中で、それらの要素が分解され再構築されてゆく

氷菓443

「すまんが仮説は用意して来なかった。」
「オレの番は終わりにして、まとめにはいらないか?」

「奉太郎、何か思いついたね」
「まぁな、ひと通りの説明はつくだろう」
「何か分かったんですね、折木さん」

果たして、資料から事件のあらましを導き出すことに成功した折木は、自身の資料やそこから導かれるであろう不完全な仮説よりも全体の総括に入る事を提案する。

つまり、結論が分かったのだから余計な事はせず、最短距離で手短に済ませようという折木らしい省エネ主義の提案なのであった。

氷菓444

「そして、事件の原因は・・・」
「文化祭だ」

「事件の原因が文化祭だとどこかに書いてありましたっけ?」

45年前に学校で起きた事件。
それは文化祭の開催に関する学校側と生徒との対立。
その運動を平和的に解決したという指導者こそが関谷純なのであった。
そして、関谷はその文化祭が終わった頃にどうやら責任をとらされ学校を中退し事実上の追放となったのだ。

その文化祭の件から、関谷は英雄視され奉り上げられたようだった。

この事から、またひとつ以前のキーワード『カンヤ祭』(=文化祭)が、何故そう呼ばれるようになったのかという事に繋がるのだと個人的に推理する。
おそらくは『カンヤ』とは『関谷』を言い換えたもので、英雄の功績を讃えているのだろう。

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「45年前、叔父にそんな事が・・・」
「さすがです折木さん」


折木の推理により、叔父の関わった45年前の一件の概要が判明しそれに納得したえる。
その表情は何故かいつものように晴れ晴れとしたものではなく、どこか陰りを見て取れた。

だが、えるは今日の検討会は目的を達成できたという事でお開きとした。

氷菓446

「本当にありがとうございました」
「オレだけでやった事じゃないさ」
「いいえ、折木さんのおかげです」

『大事なことなので二回言いました!!』

帰り際、折木に対し感謝の言葉をかけるえる。

折木はそんな言葉に対し、照れもあったのか里志らの協力があり、集まった資料があったから推理できたのだと謙遜する。

だが、えるはそんな折木に対してもう一度今回の謎が解けたことは折木のおかげだと言う。

確かに、今日だけに限って言えば折木だけではないのかもしれない。
だが、ここに至るまでの道のりは折木が居たからこそ進んでこれた。

最初に相談した時、省エネ主義の折木が本来なら協力する事などなかった。
だが予想に反し、折木は悲痛な表情のえるにほだされ協力する事を引き受け、氷菓の発見に協力。
里志らの協力も、えるだけならば踏み切れずに今もたった一人で探し続けていただろう。

えるはその事を含めて、本当に感謝しているのだ。

氷菓447

「でも、だったら・・・どうして私は泣いたのでしょうか?」

折木の出した結論を聞いて叔父の関谷純に何が起きたのかを客観的に知る事が出来た。
しかし、それでは何故えるが泣いたのかという事は解明されてはいない。

恐らくは、45年前の文化祭の事件は今回集められた客観的な資料からだけでは伺い知れない当事者だけが抱える何かがあったという事なのだろう。
そして、それこそがえるが泣いた原因につながっているのだろう。

何故、ただの生徒であった関谷が文化祭の存続に立ち上がり全校生徒となったのか?
本当に、文化祭の事だけが原因で関谷純が学校を去ったのか?

恐らくは、関谷純には何らかの個人的理由がありその為に文化祭を守った。
だからこそ、英雄と言われるような行為ではなく、もっと人間的な行為だったという事が氷菓の序文にある『あれは英雄譚などではなかった』という言葉に隠されているのではないかと考えられる。

そして、何故『氷菓』はそう命名されたのか?
第1号は何故残されていないのか?

次回も、この残された恐らくは最後の謎をどう解き明かすのか待ち遠しく感じる。

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