氷菓 第17話『クドリャフカの順番』感想

氷菓 第17話 「クドリャフカの順番」01

「十文字の犯行声明だ」

校了原稿を用意し、十文字を待ち構えていた古典部。
だが、里志の電話に気を取られた間に、原稿が燃やされてしまい古典部は敗北してしまうのだった。

氷菓 第17話 「クドリャフカの順番」02

十文字事件は完結し、文化祭も終わりを迎えようとしていた。
そんな中、十文字事件をずっと気になっていながら我慢していたえるは名残惜しそうな表情を浮かべる。

氷菓 第17話 「クドリャフカの順番」03

「私の話を真に受けて、下手に画策するのだけはやめた方がいい」
「単刀直入な言い方しか出来ないのがお前の弱点で、他では得がたい武器でもある」
「その、分かるか?」

「ええ、私も思っていました」
「こういう事は私向きじゃありません」
「え~と、つまりですね・・・もうこりごりです」


えるは文集の売り上げを受け取りに向かった先で、校内放送を聞いた入須から忠告を受ける。

やはり、1日目に入須から伝授された方法は汚れた入須には出来ても、純粋向くなえるには不向きなのだ。
短慮な入須はその事に気付いておらず、えるの良さを奪ってしまう事を教えてしまったのだ。

その事を素直に謝罪する入須。
だが、入須に言われるまでもなく自身も無理を感じていたえるはその忠告を素直に受け入れるのだった。

氷菓 第17話 「クドリャフカの順番」04

「単刀直入に行きましょう。あなたが十文字ですね、田名辺先輩」
「ふ~ん、当てずっぽうかな?」

『神は言っている、ここで死ぬ運命ではないと・・・』

そして、時間は巻き戻され、古典部での犯行以前へと遡る

折木は店番を放棄して秘密裏に十文字事件の犯人を呼び出していた。

そこに現われた犯人の正体は、やはり想像通り総務委員会委員長の田名辺治朗。

氷菓 第17話 「クドリャフカの順番」05

「十文字事件とは、それ自体が暗号だったんじゃないですか?」
「くで始まる相手に、くで始まるものが既に失われているというメッセージを伝えるために」


氷菓 第17話 「クドリャフカの順番」06

「言ってしまいますとね、俺はそれこそが『クドリャフカの順番』の筋立てだったと思ってるんですよ」

この事件でひとつだけ何も起きていないかのように思われた『く』に関わる事柄。
だが、折木はそれこそがこの事件の目的なのだと考え。
そして、この事件のもとになっている『クドリャフカの順番』のストーリーも、おそらく原作とは違いメッセージ性のある作品だったのだろうと推測していた。

氷菓 第17話 「クドリャフカの順番」07

「被害者はすべてこのページから選ばれている」

氷菓 第17話 「クドリャフカの順番」08

「このページにたまたま被害者が固まったというのは出来すぎでしょう」
「そして、ページを操作できるのは総務委員会の誰かだ・・・」


これまでに起きた事件の関連性と、残されていたメッセージなどを列挙しそこから導き出された推論。

部活の紹介文はそれぞれの部活が製作するものだから、ページの内容にメッセージを持たせるのは至難の技だというのは12話から分かっていた。
だが、部活の名前を犯行を行う部活を集約する事は里志が古典部の名前を操作した例もあるように可能

そして、それが可能なのは総務委員の誰か。

だが、総務委員の中に居る人物で昨年同人誌を作り会長の画力を知り名前が「ジ・タ」のつく人物は一人しか居ない。

氷菓 第17話 「クドリャフカの順番」09

「見事だ。まさか、宗と安城さん以外に読み解ける奴が居るなんて思いもしなかった」

動機は不明であるが、状況から言って犯人だは一人しか居ない以上、犯人である事を潔く認めざるをえなくなる田名辺。

彼は部外者であるはずの折木が、この事件に隠されたメッセージを読み解いた事に驚き、素直に賞賛をするのだった。

氷菓 第17話 「クドリャフカの順番」10
氷菓 第17話 「クドリャフカの順番」11

「さて、そこで物は相談です」
「田名辺先輩にして欲しい事があるんですよ」

「というと?」
「これを買って頂きたい」
「文集『氷菓』、しめて三十部」


犯人である事をバラさないかわりに古典部の文集の購入を迫る折木。
そして、その代わりに古典部での事件を手伝うという条件を提示する。

ただでさえ、注目を集めている「十文字事件」。
衆人環視の中、このまま犯行を行うことは至難の技。

犯行を手伝うという折木の申し出に利害が一致した田名辺はその条件を飲み、冒頭の十文字事件へと繋がってゆくのだった。

氷菓 第17話 「クドリャフカの順番」12

「福ちゃんは、折木に勝ちたかったの?」
「勝ちたいわけじゃなかったけど、見上げてばかりじゃね」

大勢の容疑者の中から推理で十文字を捕まえる事が不可能だと踏んで、自分が犯人を捕まえるのだと意気込んでいた里志。
だが結局、折木は限られた証拠から本当に十文字の正体を犯人を割り出してしまった。

これまでも他人に比べて突出した才能がない事を卑下してきた里志は、折木に勝つというよりも今回の事で自分にも何か出来るという事を確認したかったのだろう。
だが、結局は才能がある人間にはかなわないという事を痛感させられてしまった。

里志はその事に言葉に出来ない苦しみを抱えながら、これからも折木と付き合ってゆくのだ。

氷菓 第17話 「クドリャフカの順番」13
氷菓 第17話 「クドリャフカの順番」14

「私、河内先輩の言うことも少し分かります」
「面白いかどうか、結局主観の問題だっていうこと」
「でも、やっぱりそれが正しいとは思えません」
「だって、それってあまりにも虚しいじゃないですか」


部活での先輩である亜也子と作品の評価について溝がある摩耶花。

摩耶花自身も読み手の主観で作品が評価されるという側面はあると認めているが、万人が認めるような名作も存在するのだと主張する。

だが、その代表としてあげた「夕べには骸に」は亜也子の友人であり、漫画を読まないような安城が初めて書いた原作。
それを認めてしまえば、亜也子は安城の才能に一生かなわない事を認めてしまう事になる。

才能がない人間はどれだけ努力しても才能のある人間にはかなわない。
自分以上に才能がある友人、そんな里志と同様の葛藤と絶望に亜也子は苦しんでいたのだ。

亜也子のそんな苦しみと悩みの一面を見せられた摩耶花は自分の浅はかさを痛感し涙を流すのだった。

氷菓 第17話 「クドリャフカの順番」15

「なら、あなたが本当に聞きたかった事はこうですか?」
「陸山、お前は『クドリャフカの順番』を読んだのか」

「本当に見事だ」
「そして、答えは・・・」
「ああ、そうだ。宗は安城さん渾身の原作を開いても居なかった」

田名辺がこの事件を起こした理由も、里志と同様に才能がある者への『叫び』が含まれていた。

折木は最初、原作をなくしたと考えていた。
だが、それなら原作者に言うか田名辺に相談すれば済む。

田名辺はこの事件を通じ、原作が優れている事を証明して、才能がありながら「クドリャフカの順番」を描かない事を陸山に問いたかった。

だが、結局のところ、田名辺が考えていた以上に陸山は「クドリャフカの順番」について意欲を持っておらず、原作を読みもしていなかった。

自分に才能がないが故の歯痒さ
それすらも気付いてもらえない苦しみ

この事件にこめられた『叫び』。
それが折木によって解き明かされ、おそらく田名辺は救われたのだろう。

氷菓 第17話 「クドリャフカの順番」16

「これで、完売です」
「いやったぁ~」

コンテストでの宣伝や十文字事件により、知名度が上がった古典部。
あれ程積みあがっていた筈の文集『氷菓』も何とか完売となる。

氷菓 第17話 「クドリャフカの順番」17

「これで、心置きなく・・・気にする事が出来ます」

えるがこれまで部長という責任から、興味を持ちつつも文集を売る事を優先して抑え込んでいた「十文字事件」についての好奇心が爆発。

氷菓 第17話 「クドリャフカの順番」18

「その辺の話も含めて、どうかな完売祝いの打ち上げといかないかい?」
「おぉ~」
「里志」
「これくらいは許してもらわないとね」

これに、自分の気持ちに整理を里志や摩耶花も便乗。
打ち上げをかねて、事件のあらましを語る場を設けようというこ事になり、えるの実家へと赴くことに。

せっかくえるの好奇心をうまくやり過ごしたかに見えた折木だったが、結局「十文字事件」について語らなければならない運命なのであった。


十文字事件、ついに決着。

途中までは里志の活躍が見れるのかと期待したが、友情・努力・根性判断力・発想力に欠けた里志ではやはりジャンプの主人公にはなれなかった役不足。
終始、才能のない人間の悲哀と葛藤に彩られた物悲しい文化祭で終わってしまいましたね。>えー

まぁ、突き詰めれば世界一にでもならない限りこういう自分より優れた才能の葛藤からは開放されえない。
里志と同様に折木も出来すぎた姉への葛藤などを抱えているだろうし、そんな事に拘っていてはそれこそ際限なく他人に劣等感を抱かなければならない。

里志に摩耶花やえる達は今回の一件で、自分らしくない無理をする事が自分自身の持ち味すら消してしまう愚考だという事を体感した三人。
今後は劣等感に捕らわれず、自分なりの良さを伸ばしていく方向で人間的に成長してゆくのだろうか?

次回以降も、そういった人間的な成長ドラマが続きそうだ。

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